楽譜アプリって最近たくさんありますよね。Piascore、forScore、そして今回紹介するNewzik(ニュージック)。
正直、私も「どれも似たようなものでしょ?」と思っていました。
でも、Newzikには他のアプリにはないAI移調機能があるんです。
PDF楽譜をワンタップで好きなキーに移調できる。これ、声楽の伴奏をする人や、管楽器奏者には革命的な機能なんですよね。
Newzikの機能や料金、他アプリとの違いを詳しくレビューしていきます。
Newzikって?

Newzikは世界音楽ユーザー45万人に利用されるフランス発のAI楽譜アプリです。
ヨーロッパを中心に、オーケストラ、オペラハウス、合唱団といったプロフェッショナルな現場で広く導入されています。
Newzikの特徴
Newzikの主な特徴は以下のとおりです。
特に、日本でよく使われているPiascoreとの違いとして大きいのは、PDF楽譜をダイナミック楽譜に変換できる点です。
- AI技術を利用したOMR(光学楽譜読み取り)
- 紙楽譜・PDF楽譜からダイナミック楽譜へ瞬時変換
- オリジナル楽譜の生成
- 瞬時の移調楽譜生成
- 楽譜のオーディオ再生機能
- テンポ調整機能
- メトロノーム機能
- ジェスチャーによる譜めくり(ハンズフリー)
- 自動譜めくり機能
- クラウド上でのリアルタイム楽譜管理・共有
なぜ世界的な歌劇場がNewzikを選んだのか

採用している主要な音楽団体
Newzikの導入記事を見て驚きました。
- ミラノ・スカラ座(イタリア)
- メトロポリタン歌劇場(アメリカ)
- ウィーン国立歌劇場(オーストリア)
- フランス共和国親衛隊管弦楽団(フランス)
特にウィーン国立歌劇場は2018年から本格導入していて、舞台監督から演奏者まで全部門で活用しているそう。
以下はウィーン国立歌劇場記事の抜粋です。
I recommend the Newzik App as a perfect collaboration tool, where you can make all the important annotations to the music, and then make it available to all colleagues.
音楽に重要な注釈をすべて追加し、それをすべての同僚が利用できるようにすることができる完璧なコラボレーション ツールとして、Newzik アプリをお勧めします。
確かに、オーケストラや合唱団では、指揮者の指示を全員の楽譜に反映させるのって大変ですよね。
Newzikなら、指揮者が書き込んだ内容が、団員全員のタブレットに即座に表示される。これは便利だと思います。
他の楽譜アプリとは何が違う?徹底比較してみた
気アプリ3つを実際に使い比べた結果
機能 | Newzik | Piascore | forScore |
---|---|---|---|
基本料金 | 無料〜 | 無料〜 | 約2,500円 |
AI移調機能 | ◎あり | ×なし | ×なし |
PDF楽譜の移調 | ◎可能 | ×不可 | ×不可 |
楽譜を音で再生 | ◎可能 | △一部可 | △一部可 |
クラウド同期 | ◎完全対応 | ○対応 | ○対応 |
日本語対応 | △英語のみ | ◎完全対応 | △英語のみ |
世界的劇場での採用 | ◎多数 | ○あり | ○あり |
2025年5月1日に配信されたプレスリリースを見ると、日本では本格展開に向けた動きがすでに始まっており、日本語対応もそう遠くない将来に期待できそうです。
Newzikの料金プラン
Newzikは、無料のベーシックプランから気軽に使い始めることができます。
「もっと便利に使いたい!」という方には、有料プランが2種類。
- エッセンシャルプラン(¥4,000/買い切り):クラウドストレージ制限有り
- プレミアムプラン(¥8,000/年):クラウド無制限で楽譜の保存が可能、1週間の無料トライアル付きで、すべての機能をフル活用
プレミアムプランは月あたり約666円でストレージが使い放題なので、とてもお得に感じます。
さらに、クラウド保存に対応しているため、タブレットを機種変更するときも毎回PDF化してデータを移す必要がなく、とても便利です。
プレミアプランは7日間無料トライアルがついています。気になる方は無料で試してみてはいかがでしょうか?
個人だけでなく、団体や教育機関向けのプランも用意されています。
- アンサンブルプラン:オーケストラ・吹奏楽・合唱団などにおすすめ
- アカデミックプラン:音楽大学や専門学校、音楽教室向け
これらのプランでは、管理者とメンバーで役割を分けながら、プロジェクト単位で楽譜をまとめて管理できます。
団体の規模に合わせてユーザー数ごとに年額料金が設定されているので、使いやすさも安心です。
まとめ
楽譜アプリは数多くありますが、Newzikの強みは「AIによる移調機能」と「クラウドを活用した共有性」にあると感じました。
PDF楽譜をワンタップで好きなキーに変換できる機能は、声楽や管楽器の伴奏をする人にとって特に大きなメリットです。
また、クラウドに保存しておけば、タブレットの買い替え時にもデータ移行の手間がかからず、オーケストラや合唱団などの大規模な現場でも指揮者の書き込みを瞬時に全員と共有できるのは、まさにプロフェッショナルに選ばれる理由といえます。
日本語対応はまだ限定的ですが、今後の本格展開が進めばより使いやすくなることが期待できます。
これから楽譜アプリを導入したい方や、既存のアプリに物足りなさを感じている方は、一度Newzikを試してみる価値があると思います。
当ブログでは現役音大生や音大出身のライターが、「音楽に関する質の高い情報」を発信しています。
ぜひ他の記事もご覧いただき、役立てていただければ幸いです。