「イベントや店舗演出、結婚式などで “日本らしさ” を演出したい」
そう考えたとき、真っ先に浮かぶのが 和楽器の生演奏 です。
しかし実際に依頼しようとすると
- 「信頼できる演奏者が見つからない」
- 「料金や準備物の相場が分からない」
といった不安がありますよね。
本記事では、現役音楽家と音大生が “本当に頼れる和楽器演奏者”の情報をもとに、
- 演奏者の探し方・選び方
- シーン別おすすめ編成と料金相場
をまとめてご紹介します。
和楽器演奏を依頼するメリットとは?

生演奏が生む空間価値
尺八や箏の澄んだ響き、津軽三味線の力強いフレーズ、和太鼓の重低音…
これらはスピーカー再生では再現しきれない空気の振動そのものです。
店内BGMに和楽器を取り入れると、平均滞在時間が伸びたり購買単価が上がったという報告も多く、ブランド体験を高める施策として注目されています。
SNS 拡散・ブランディング効果
インスタやTikTokでは「街中ピアノ」などの動画が国内外でバズる時代。
会場で撮影された演奏シーンは“映え”やすく、投稿者本人も施設名やイベント名をタグ付けしてくれるため 二次拡散 が期待できます。
和の演出はインバウンド需要にも刺さり、企業・自治体のPR施策としても高評価です。
和楽器演奏者の探し方 3選
演奏依頼仲介サービスを利用する

演奏依頼仲介サービスでは、演奏動画、得意ジャンル、レビューがまとまっており、問い合わせ窓口も一本化されているためミスマッチが起こりにくいのが利点です。
SHARE MUSICA(シェアムジカ)はその仲介サービスの一つで、現役音楽家による厳格な審査を通過した実力派音楽家のみが登録できるマッチングプラットフォームです。
予算に合わせた演奏者の募集や依頼が可能で、東京藝術大学や桐朋音楽大学卒、さらには海外の大学院修了者など、多彩な経歴を持つ演奏者が登録されています。
また、音楽事務所を介さずに直接マッチングできるため、手数料を最小限に抑えられるのも大きな特徴です。

音楽事務所を利用する
和楽器専門、あるいは邦楽部門を持つ芸能事務所に依頼する方法です。
事務所経由の強みは、
- 編成提案力──尺八と箏に洋楽器を組み合わせたクロスオーバー編成など、企画段階からアレンジを提案してくれる
- 機材やスタッフ確保──太鼓・PA・照明をパッケージで手配可能
ただし仲介手数料が上乗せされやすいため、「質重視で費用もかけられる案件」向きです。
知り合いに紹介してもらう
知り合いや学校・自治体・地域文化協会を通じて紹介を受けると、
- 顔が見える関係→信頼度が高い
- 地元同士→移動コストを抑えられる
といった利点があります。
一方で、契約書やキャンセルポリシーが曖昧なまま話が進みやすい点には注意。
金銭授受を伴う案件は、演奏者・依頼者双方で文書を交わす習慣が薄いとトラブルになりがちです。
紹介案件でも、以下の二点は書面に残しましょう。
- 出演料・支払期日
- キャンセル規定(期日別の料率)
和楽器奏者の選び方

ここでは演奏者の選び方について解説します。
ポートフォリオ動画・音源をチェックする
依頼を検討している演奏者の演奏動画や音源を確認し、希望するイベントに合った演奏スタイルかどうかを見極めましょう。
特に、ポップスや洋楽を和楽器でカバーしているような動画は、イベントの演出イメージがしやすくなります。
そうした視点からも、動画の内容や演奏曲のレパートリーをチェックしておくのがおすすめです。
依頼条件を揃えて見積もりを出してもらう
見積もりを依頼する前に、必要な情報を整理しておかないと、演奏者も正確な見積もりを出すことができません。
あらかじめ、以下のような情報をまとめておきましょう:
- 会場名・客席数
- リハーサルの時間帯と全体の演奏所要時間
- 機材(PA)の有無
- 希望する曲目や演出イメージ
これらを事前に共有しておくことで、回答までのスピードが上がり、追加料金の発生も防げます。
条件がまとまったら、複数の候補者に順に連絡を取り、見積もりを依頼しましょう。
その中から最も希望に合った提案をしてくれた演奏者に依頼すると、スムーズに進行できます。
シーン別おすすめ楽器&編成

シーン | おすすめ編成 | 料金目安(45分) |
---|---|---|
企業レセプション | 箏+尺八デュオ | 7〜10万円 |
店内BGM | 三味線ソロ | 5万円前後 |
結婚式(和装披露宴) | 箏・尺八・和太鼓トリオ | 12〜18万円 |
学校ワークショップ | 和太鼓チーム(4人〜) | 8〜15万円 |
料金相場と費用を抑えるコツ

演奏人数を絞る
演奏者の人数が増えると、その分人件費もかさみます。
人数が多いほど華やかな演出が可能になりますが、予算とのバランスを考えながら検討しましょう。
- ソロ:3〜6万円
- デュオ:6〜10万円
- トリオ:10〜15万円
- グループ(4人以上):15万円〜
機材・交通費・著作権の注意点
和太鼓などの大型楽器は重量があるため、運搬費が別途発生するケースが多くあります。
また、地方在住の演奏者を都内など遠方へ招く場合、交通費も高額になりがちです。
可能であれば、会場近くの演奏者を選ぶことで、これらの費用を抑えることができます。
加えて、演奏曲に関しては著作権にも注意が必要です。
楽曲によっては、別途著作権料の支払いが求められる場合があります。
演奏者の持ち曲を最大限活用する
演奏者が普段から演奏している持ち曲を選ぶことで、費用を抑えられる場合があります。
一方で、新たにアレンジを依頼する場合は、編曲料や準備費などの追加費用が発生することもあります。
事前に演奏者のレパートリーを確認しておくと、スムーズかつ予算内での依頼につながるでしょう。
まとめ|和楽器の魅力を最大化する一歩を踏み出そう
和楽器の生演奏は、“非日常の空気” と “SNS 映え” を同時に演出できる強力なコンテンツです。
失敗しないためには
- 探し方を選ぶ──仲介サービス・事務所・紹介の良し悪しを把握する
- 演奏者の選び方──演奏動画を確認→条件共有→見積もり依頼
- シーンに合った編成を選定し、相場とコスト調整策を理解する
これだけで、初めての依頼でも安心して進行できます。
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